11年生になると、Cowra & CanberraやCairnsのような全員で揃って行ける旅行がなくなるため、私たち11年生の中から「5人みんなで一緒にどこかへ旅行に行きたい!」という声が出て、いろいろな話し合いの後、Dubboにあるサファリ・パークに一泊二日で訪れることに決定しました。
7月の休暇で訪れたPort Stephensには残念ながら5人全員が揃わなかったので、今回が初めて全員が揃った旅行になりました。学校や休日など、大抵いつも一緒にいるのですが、旅行をすると、またいつもとは違った楽しさやお互いの新たな発見があったように思います。
片道5時間程の車での移動の前半、私は早朝に食べすぎたシリアルのせいで気分が悪かったのですが、他の4人は朝から会話を弾ませながら、iPodにスピーカーを取り付け音量を大にして自由奔放に歌ったり、いつでも入手可能なお菓子を奪い合ったりして、相当な盛り上がりを見せていました。一人気分が沈んでいる中、多少イライラはしましたが、このホリデーに入って全員に会うのが初めてだったので、「みんな好きなように思いっきり楽しめばいいか」と納得して、後半からは、普段通り、ちょくちょく騒ぎに参加しました。
毎回車でオーストラリアを旅行するたびに感じることなのですが、ほんの1時間内陸に移動しただけでこんなにも景色が違うのか、と今回もしみじみと感じていました。さすが、一大陸で一国家というくらいの規模ですから、多様な景色が見られるわけです。特に印象に残っているのはやはり、道路から一歩踏み出すと広がる一面黄色の菜の花畑の景色です。あまり動きたくないタイミングだったので写真は取りませんでしたが、身体的に気分が悪い中、気持ちだけはなんとなく高揚するような、明るい景色でした。天気が予想していたよりも良くて、青い空と菜の花の黄色の対照からは、「自然の色ってなんかいいなぁ」と(ずっと屋内でホリデーを過ごしていたため)感じることができました。
他の4人が騒ぎ続ける中、助手席に座ってずっと先生と真面目な話題について真剣に話し合う機会がって、やはり関心のあることについて話題が尽きるまで話すことができるのは旅行ならではのいいところだな、とこの機会が現実になったことに喜びを感じました。Dubboにある公園で先生が準備してくださった素晴らしい日本食を昼食として頂いた後、数分で目的地であるサファリ・パークに到着しました。
サファリ・パークは、予想していた雰囲気や構造とは違って、どちらかと言えば有り余る土地を十分に使った動物園、という感じで、動物たちにはそれぞれ広大な面積の土地が割り当てられ、その周りには堀や柵が設置されていて、割と遠距離で動物たちを見られる、というものでした。遠いとは言ってもどこに何がいて何をしているのか、ということは分かるくらいの距離です。
一周で5kmあるコースを、自転車をレンタルして回りながら動物たちを見物しました。ブレーキがない自転車だったので、ペダルを後ろに回してブレーキがかかる仕組みになっていて、乗り方に慣れるまでに少々時間を要しましたが、全員がすぐに乗りこなせるようになっていました(先生がいつか転倒しないかとみんな常に内心はとても冷や冷やしていました・・・)。私はほとんどすべての動物の前で立ち止まってカメラで写真を撮って、動物の観察に時間を費やしていて、何度も取り残されそうになりました。その間、他の数人は動物を見ることよりも自転車で加速したりドリフトしたりすることに楽しさを発見したようで、始終自転車で遊んで(本来の目的とは異なるけれども・・・)楽しんでいました。(個人的には)運動不足になりがちなのがホリデーなので、ほんの数時間ながらも運動ができたことで爽やかな気分になることができました。
パーク内は五大陸に分割されていたらしく、(アジア・アフリカ・オーストラリアの動物しか見ていないような気がしましたが・・・)多様な動物が見られました。印象に残るのは、威風堂々という感じのライオンの雄と、数十センチというかなり近くで見られたシマウマの家族(近距離が災いして多少臭いが鼻についたけれども・・・)、そして、何と言っても、気分を和ませてくれた、ゆったりとした歩みが印象的な象です。動物を興味津々に見つめて写真を撮る人間を見るのもいろいろな意味で面白かったのですが・・・。
一周が終わった後、3人がサイクリング目的のみで二周目の突入し、二十分ほどかけてもう一周してきたようです。一人が一度だけ転んだようですが、大きな事故なく、サファリ・パークを後にしました。
その後はWoolworthsでその晩の夕食の予定のとんかつのための材料を調達しました。二回ほど宿泊先を間違えるというアクシデントもありましたが、なんとか予約したキャラバン・パークに到着、今度は部屋数が足りない、ベッドの数も足りないということが発覚・・・どこかで拾ってきたのかと思うほど頼りがいのない数十年物の折りたたみベッドのようなものを用意してもらったり、キャンピング・カーを一台追加して借りなければなければならなかったり・・・料理を始める前にコンロがないということが判明・・・仕方なくとんかつは諦め、幸いにも近くにあったバーベキューでとりあえず豚肉を焼いて味付けをして、美味しく頂きました。数々のハプニングはあったけれども、即興で考案して作った夕食が非常に美味しくて「人生なんとかなるんだなぁ」と感心せざるを得ない結果になりました。
夕食後は一人ずつ先生のキャビンを訪れて、数十分に亘る個人面談をしました。来学期から12年生になる前に、これらかの目標を再確認する良い機会でした。私は気付かない内に1時間近く面談していたらしく、後の2人を待たせていたようです・・・。
二日目の朝は、久しぶりに豪勢な朝食を頂きました(家での朝食が粗末だと言う意味ではありません)。朝食は非常に美味しく、後半は大食い選手権化して、残り物を出さないようにひたすら食べ物を口に運ぶ様子が見られました。私は帰りの5時間の旅で腹痛を起こさないか心配だったので腹八分目に抑えておきましたが、他の2人は腹十二分目くらいまで食べ続けていたように思われました。車の中で悲劇が起きなかったのは幸いでした。
朝食後、食器洗いを済ませた後さっさと宿泊先から退散し、近くにある、昔刑務所だった場所を訪れました。小規模ではありましたが、オーストラリアで過去に囚人がどのように生活し、扱われていたのかを知ることができる良い学習体験になりました。非常に粗末な生活環境や、拷問・体罰の道具、晒し首台や絞首刑場、刑務所のそこらじゅうで見られた、なんとか脱獄しようと試みるマネキンたちを見て、様々な状況によっては誰でも罪を犯し得るのに、それでも罪を犯すことは「絶対悪」だったのか、と過去に存在した道徳観・価値観を問うこととなりました。しかし、最低限の生活が保障されているという点では、厳しい現実の世界よりも物質的に満足のいく生活を送ることができた場合があるのは事実であったようです。滞在中に急に始まった、脱獄を試みる囚人女性と守衛の掛け合いをテーマにした演劇を運よく見物できて、「ここまでよく役に入り込めるんだなぁ」とついつい内容やメッセージよりも演技に目が行ってしまうほどの熱演に感心しました。
帰り道に、去年のCowra & Canberra Tripで霧のために残念ながら見られなかったThreeSistersをBlue Mountainsで見ることができました。去年は10m先も見えないほどの濃霧だったので、Three Sistersを脳内で想像することしかできなかったため、勝手な想像をしていたのですが、実際に見てみると手の届きそうなほど間近に見られ、「おお、ここにいたのか」と驚きました。多くの観光客がいて、皆この岩を見に来たのか、と自然の持つ不思議な魅力について考えされられました(もちろん「岩」を観光名所にすることのできる宣伝と観光業の力にも感心しましたが)。
一泊二日という時間的には短い旅でしたが、参加者全員が、それぞれなりに楽しんで意義を見出すことのできた旅だったように思います。何か一つの目的を共有し、物理的な近距離を数日保つことが、心の中の距離をも更に縮めてくれたと実感します。時間を共に過ごし、様々な種類の活動を共に行うことによって、たった2日間でもこれだけ相互理解が深まるのか、と「旅」の力と魅力に気づくことになりました。小学校や中学校ではあれだけ旅行や学校行事が大嫌いだったというのに・・・!
記事:逸見弘明
7月の休暇で訪れたPort Stephensには残念ながら5人全員が揃わなかったので、今回が初めて全員が揃った旅行になりました。学校や休日など、大抵いつも一緒にいるのですが、旅行をすると、またいつもとは違った楽しさやお互いの新たな発見があったように思います。
片道5時間程の車での移動の前半、私は早朝に食べすぎたシリアルのせいで気分が悪かったのですが、他の4人は朝から会話を弾ませながら、iPodにスピーカーを取り付け音量を大にして自由奔放に歌ったり、いつでも入手可能なお菓子を奪い合ったりして、相当な盛り上がりを見せていました。一人気分が沈んでいる中、多少イライラはしましたが、このホリデーに入って全員に会うのが初めてだったので、「みんな好きなように思いっきり楽しめばいいか」と納得して、後半からは、普段通り、ちょくちょく騒ぎに参加しました。
毎回車でオーストラリアを旅行するたびに感じることなのですが、ほんの1時間内陸に移動しただけでこんなにも景色が違うのか、と今回もしみじみと感じていました。さすが、一大陸で一国家というくらいの規模ですから、多様な景色が見られるわけです。特に印象に残っているのはやはり、道路から一歩踏み出すと広がる一面黄色の菜の花畑の景色です。あまり動きたくないタイミングだったので写真は取りませんでしたが、身体的に気分が悪い中、気持ちだけはなんとなく高揚するような、明るい景色でした。天気が予想していたよりも良くて、青い空と菜の花の黄色の対照からは、「自然の色ってなんかいいなぁ」と(ずっと屋内でホリデーを過ごしていたため)感じることができました。
他の4人が騒ぎ続ける中、助手席に座ってずっと先生と真面目な話題について真剣に話し合う機会がって、やはり関心のあることについて話題が尽きるまで話すことができるのは旅行ならではのいいところだな、とこの機会が現実になったことに喜びを感じました。Dubboにある公園で先生が準備してくださった素晴らしい日本食を昼食として頂いた後、数分で目的地であるサファリ・パークに到着しました。
サファリ・パークは、予想していた雰囲気や構造とは違って、どちらかと言えば有り余る土地を十分に使った動物園、という感じで、動物たちにはそれぞれ広大な面積の土地が割り当てられ、その周りには堀や柵が設置されていて、割と遠距離で動物たちを見られる、というものでした。遠いとは言ってもどこに何がいて何をしているのか、ということは分かるくらいの距離です。
一周で5kmあるコースを、自転車をレンタルして回りながら動物たちを見物しました。ブレーキがない自転車だったので、ペダルを後ろに回してブレーキがかかる仕組みになっていて、乗り方に慣れるまでに少々時間を要しましたが、全員がすぐに乗りこなせるようになっていました(先生がいつか転倒しないかとみんな常に内心はとても冷や冷やしていました・・・)。私はほとんどすべての動物の前で立ち止まってカメラで写真を撮って、動物の観察に時間を費やしていて、何度も取り残されそうになりました。その間、他の数人は動物を見ることよりも自転車で加速したりドリフトしたりすることに楽しさを発見したようで、始終自転車で遊んで(本来の目的とは異なるけれども・・・)楽しんでいました。(個人的には)運動不足になりがちなのがホリデーなので、ほんの数時間ながらも運動ができたことで爽やかな気分になることができました。
パーク内は五大陸に分割されていたらしく、(アジア・アフリカ・オーストラリアの動物しか見ていないような気がしましたが・・・)多様な動物が見られました。印象に残るのは、威風堂々という感じのライオンの雄と、数十センチというかなり近くで見られたシマウマの家族(近距離が災いして多少臭いが鼻についたけれども・・・)、そして、何と言っても、気分を和ませてくれた、ゆったりとした歩みが印象的な象です。動物を興味津々に見つめて写真を撮る人間を見るのもいろいろな意味で面白かったのですが・・・。
一周が終わった後、3人がサイクリング目的のみで二周目の突入し、二十分ほどかけてもう一周してきたようです。一人が一度だけ転んだようですが、大きな事故なく、サファリ・パークを後にしました。
その後はWoolworthsでその晩の夕食の予定のとんかつのための材料を調達しました。二回ほど宿泊先を間違えるというアクシデントもありましたが、なんとか予約したキャラバン・パークに到着、今度は部屋数が足りない、ベッドの数も足りないということが発覚・・・どこかで拾ってきたのかと思うほど頼りがいのない数十年物の折りたたみベッドのようなものを用意してもらったり、キャンピング・カーを一台追加して借りなければなければならなかったり・・・料理を始める前にコンロがないということが判明・・・仕方なくとんかつは諦め、幸いにも近くにあったバーベキューでとりあえず豚肉を焼いて味付けをして、美味しく頂きました。数々のハプニングはあったけれども、即興で考案して作った夕食が非常に美味しくて「人生なんとかなるんだなぁ」と感心せざるを得ない結果になりました。
夕食後は一人ずつ先生のキャビンを訪れて、数十分に亘る個人面談をしました。来学期から12年生になる前に、これらかの目標を再確認する良い機会でした。私は気付かない内に1時間近く面談していたらしく、後の2人を待たせていたようです・・・。
二日目の朝は、久しぶりに豪勢な朝食を頂きました(家での朝食が粗末だと言う意味ではありません)。朝食は非常に美味しく、後半は大食い選手権化して、残り物を出さないようにひたすら食べ物を口に運ぶ様子が見られました。私は帰りの5時間の旅で腹痛を起こさないか心配だったので腹八分目に抑えておきましたが、他の2人は腹十二分目くらいまで食べ続けていたように思われました。車の中で悲劇が起きなかったのは幸いでした。
朝食後、食器洗いを済ませた後さっさと宿泊先から退散し、近くにある、昔刑務所だった場所を訪れました。小規模ではありましたが、オーストラリアで過去に囚人がどのように生活し、扱われていたのかを知ることができる良い学習体験になりました。非常に粗末な生活環境や、拷問・体罰の道具、晒し首台や絞首刑場、刑務所のそこらじゅうで見られた、なんとか脱獄しようと試みるマネキンたちを見て、様々な状況によっては誰でも罪を犯し得るのに、それでも罪を犯すことは「絶対悪」だったのか、と過去に存在した道徳観・価値観を問うこととなりました。しかし、最低限の生活が保障されているという点では、厳しい現実の世界よりも物質的に満足のいく生活を送ることができた場合があるのは事実であったようです。滞在中に急に始まった、脱獄を試みる囚人女性と守衛の掛け合いをテーマにした演劇を運よく見物できて、「ここまでよく役に入り込めるんだなぁ」とついつい内容やメッセージよりも演技に目が行ってしまうほどの熱演に感心しました。
帰り道に、去年のCowra & Canberra Tripで霧のために残念ながら見られなかったThree SistersをBlue Mountainsで見ることができました。去年は10m先も見えないほどの濃霧だったので、Three Sistersを脳内で想像することしかできなかったため、勝手な想像をしていたのですが、実際に見てみると手の届きそうなほど間近に見られ、「おお、ここにいたのか」と驚きました。多くの観光客がいて、皆この岩を見に来たのか、と自然の持つ不思議な魅力について考えされられました(もちろん「岩」を観光名所にすることのできる宣伝と観光業の力にも感心しましたが)。
一泊二日という時間的には短い旅でしたが、参加者全員が、それぞれなりに楽しんで意義を見出すことのできた旅だったように思います。何か一つの目的を共有し、物理的な近距離を数日保つことが、心の中の距離をも更に縮めてくれたと実感します。時間を共に過ごし、様々な種類の活動を共に行うことによって、たった2日間でもこれだけ相互理解が深まるのか、と「旅」の力と魅力に気づくことになりました。小学校や中学校ではあれだけ旅行や学校行事が大嫌いだったというのに・・・!















